コロナ禍は化粧品業界にとってもシンボリックな出来事となりました。何年か経った後、コロナ以前と以後で大きく違うものの一つが化粧品の買い方や使い方だと思っています。今まさに変化が起こっている最中です。
マスクをすることでの変化
まず大きな変化は私たちが日常的にマスクをつけるようになった事です。この影響をもろに受けたのがファンデーションとマスクの売り上げです。国の家計調査統計では、2000年の緊急事態宣言以降の5月と6月はファンデーションと口紅の売り上げが2桁下がりました。市場調査会社の調査でも2000年に販売金額が前年よりも落ち込んだランキングに、1位は口紅(前年比44%減)をはじめ化粧品が上位10位に5つも入りました。
このピンチをチャンスにしようとしている化粧品メーカーもあります。
「KATE」は落ちにくい口紅「リップモンスター」を発売しました。独自の技術で唇から蒸発する水分を使いジェルに膜を作り、色落ちしにくくしました。
百貨店での対面販売
今までの商売がやりにくくなった代表格が百貨店などでの化粧品の対面販売です。消費者はECサイトでコスメを購入する機会が格段に増えていて、百貨店もEC販売やオンラインでのプロモーションにますます力を注いでいくことが予想されます。
おこもり美容
一方で需要が増えたのがスキンケアです。「おこもり美容」という言葉も生まれました。
自宅等にこもって行うスキンケア・ヘアケア・ボディケアの総称です。リモートワークや外出自粛などにより自宅で過ごす時間が増えたことで、自分の肌と向き合う機会も増えました。
そこでより高級なアイテムを購入したり、手入れ時間を増やして丁寧なケアを心掛けるという、より時間をかけてゆっくりスキンケアをしたりというニーズが生まれました。
SNS映えを意識した素肌美を求める人が増える傾向にはありましたが、コロナ禍でこのトレンドに拍車がかかったのです。
デジタルメーク
オンライン会議で新たに需要ができたのは「デジタルメーク」です。画面上で口紅やファンデーションを投影することができます。
アイメイク
輸入が増加しているのがアイシャドーやマスカラといったアイメイク用品です。韓流ドラマの登場人物のような「韓国メイク」人気に加え、マスクの着用が日常となる中、目元だけでもメイクに力を入れたいですもんね。
リップやファンデーションなどの売れ行きはコロナ禍前の水準を下回るものの、アイメイクブランドの売れ行きは校長というメーカや、オンラインサイトでマスク着用寺の化粧のポイントを解説する企業も出てきました。